LTspiceの階層ブロックモデル

<!-- markdown-mode-on --> 了解しました。LTspiceにおける**階層ブロック(Hierarchical Block)**の仕組みを、構造・動作・要件に分けて明確に説明します。 --- ## 🧩 LTspiceの階層ブロックとは 階層ブロックとは、**別の `.asc` ファイルを1つの部品として使う方法**です。これにより、複雑な回路を部品化して再利用できます。これは `.subckt` を使ったテキストベースのサブサーキット定義とは異なり、**回路図ベースで構造化**する方法です。 --- ## 📁 ファイル構成と命名規則 階層ブロックを使うには、以下の2つのファイルを**同じフォルダ**に置きます: | ファイル | 役割 | |---------|------| | `sfh213.asc` | 階層ブロックの中身(回路図) | | `sfh213.asy` | 階層ブロックのシンボル(親回路で使う) | **ファイル名は拡張子を除いて一致している必要があります。** 例:`sfh213.asc` ⇔ `sfh213.asy` --- ## 🔌 ピン定義のルール ### 1. `.asy` ファイルのピン名 - シンボルファイル(`sfh213.asy`)にはピンが定義されている - 例:`IN`, `OUT`, `GND` ### 2. `.asc` ファイルのノード名 - 回路図ファイル(`sfh213.asc`)のトップレベルで、**ピン名と一致するノード名**が必要 - つまり、`IN` というピンがあるなら、`IN` というノードが `.asc` 内に存在しなければならない --- ## 🛠 使用方法 1. 親回路図(例:`main.asc`)を開く 2. `Edit > Component` で `sfh213.asy` を選択 3. 回路図上に配置すると、LTspiceは自動的に `sfh213.asc` を読み込み、部品として扱う --- ## ⚠️ よくあるエラーと対処 | エラー内容 | 原因 | 対処 | |------------|------|------| | `Unknown subcircuit called in: xd1 ... sfh213` | LTspiceが `sfh213.asc` を見つけられない、または `.asy` が正しく定義されていない | ファイル名の一致、ピン名の一致、フォルダ配置を確認 | | ピンが接続されない | `.asy` のピン名と `.asc` のノード名が不一致 | 両者の名前を完全一致させる(大文字小文字含む) | | シンボルが表示されない | `.asy` ファイルが壊れているか、パスが通っていない | `Edit > Component` で手動選択、または再作成 | --- ## 🧪 検証方法 1. `sfh213.asy` を開いてピン名を確認 2. `sfh213.asc` を開いて、対応するノードが存在するか確認 3. 親回路図で `sfh213.asy` を配置し、シミュレーションが通るか確認 --- 必要であれば、`.asy` の構造や `.asc` のノード定義を一緒にレビューできます。どちらかのファイル内容を貼っていただければ、具体的に検証します。 非常に鋭い指摘です。LTspiceで**階層ブロック(`.asc` + `.asy`)**を使う場合、**`Prefix` や `SpiceModel` の設定はどうなるのか?**という点を明確に整理します。 --- ## ✅ 結論:階層ブロックには `Prefix` や `SpiceModel` は不要 LTspiceの**階層ブロック方式**では、以下のような設定は**不要**です: | 設定項目 | 階層ブロックでの必要性 | |----------|------------------------| | `Prefix` | 不要(空欄でよい) | | `SpiceModel` | 不要(空欄でよい) | | `.subckt` 定義 | 不要(`.asc` がその代わり) | --- ## 🔍 理由と動作原理 ### 1. `Prefix` の役割 通常のシンボル(例:MOSFET, ダイオードなど)では、`Prefix` に `X`, `M`, `D` などを指定し、SPICEネットリストでの部品種別を決定します。 しかし、**階層ブロックでは LTspice が自動的に `X` を割り当てる**ため、`Prefix` を空欄にしておくのが正しい。 ### 2. `SpiceModel` の役割 これは通常、`.model` や `.subckt` を参照するために使いますが、**階層ブロックでは `.asy` のファイル名がそのままモデル名として使われる**ため、`SpiceModel` も空欄でOK。 --- ## 🧪 正しい `.asy` 設定例(階層ブロック用) | 項目 | 設定値 | |------|--------| | Prefix | (空欄) | | SpiceModel | (空欄) | | Value | `sfh213`(任意、表示用) | | Pins | `IN`, `OUT`, `GND` など、`.asc` のノードと一致させる | --- ## 📌 注意点 - `.asy` のファイル名(拡張子除く)が `.asc` のファイル名と一致している必要があります - `.asc` の中で、ピン名と一致するノードがトップレベルに存在している必要があります - `.asy` の `Prefix` や `SpiceModel` を誤って設定すると、LTspiceが `.asc` を読み込まず、`Unknown subcircuit` エラーになります --- 必要であれば、`.asy` ファイルの中身を貼っていただければ、設定をレビューできます。階層ブロックとして成立しているか、構造的に確認可能です。
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